道場日誌③(道場の経営について)

道場日誌

みなさんこんにちは。
今日は将棋道場の経営というものについて、少しお話させて頂きます。
その前に、将棋人口について。
詳細なデータは、他に譲るとして、日本という国の人口が減っている以上、極めて限定的な日本国内が主な市場である将棋の競技人口は減少の一途をたどっています。
古くから将棋を指す場所として、「将棋道場」というものが存在しておりました。
ちょっと古い将棋世界や近代将棋等の将棋雑誌をめくってみると、数々の将棋道場の広告があります。
昔は将棋を指そうと思ったら、リアルの将棋盤と駒で対戦するしかありませんでした。
いつも同じメンツでやった所で飽きも来ますので、町の将棋道場に出かけて・・・。というような事もあったでしょう。
しかしながら、現在はスマホなる便利な物がありまして、アプリを使えばいつでも・どこでも・誰とでも指せるようになっています。
しかも、自分に丁度いい相手とのマッチングも自動でやってくれますし、レーティングや段位等、モチベーション向上の機能も満載です。
対面で指すわけでもないので、寝っ転がりながら指しても良し、鼻クソを穿りながら指しても良し、相手の悪手に罵声を上げても良し、自分の終盤のヘタクソさにぼやいても良しと、本当に自由に対局することができます。
ただでさえ、競技人口が減少している中で、わざわざ「道場まで足を運んで」「対面で」指すという所にメリットは中々感じにくい物となっております。

近年では、私の記憶にある限りでは東京で、大阪で、広島で、プロ棋士も通っていた将棋道場が閉鎖するというニュースも流れておりました。

東京なんかでは、来場される方も多く続けていけそうな気もしますが、なぜ皆さん閉鎖されるのでしょうか?
それはひとえに「儲からない」というのが理由だと思います。
将棋道場は儲からない商売です。
ほとんどの将棋道場では、1日1000円程度の席料で、一日遊び放題が一般的かと思います。
(連盟の道場はもうちょっと高かったと思いますが)
この令和という時代、大人が1日遊んで1000円で済むことがあるでしょうか?

ディズニーランド 8900円~(1日)
麻雀 貸卓1時間 1000円~
パチンコ・パチスロ3000円~(1時間)
映画       2000円(大人 1本 2時間)
カラオケ 1時間 1000円

いわゆる、娯楽と呼ばれるような物(私のパっと思いつくものですが・・・)
と比べて、単価の安い事。
しかも、ディズニーやカラオケなどは入場した後もお金を落とすことが普通ですが、将棋の場合は中で飲み物等を購入されることはあっても、大きな収益にはつながりません。

道場を開設する場所も、家賃の安い田舎にすれば来場客が少なくなるし、人の往来が多い場所にすれば家賃が経営を圧迫します。

将棋を趣味とするそもそもの理由として「金がかからないから」というのが大きく、高い料金を支払ってまで将棋をしようとする層があまりいらっしゃらないということもあります。

お客様の中には、「ただ将棋盤を使って将棋を指すだけなのに金を取るのか?」という方もいらっしゃいます(その方は本当にお客様なのか?)

最近はAIに、「将棋道場 儲かる」と聞いてみますが、「こども教室を開催するなど、席料以外の収益を上げる努力をしましょう」と教えて頂けます。

子供教室も開催しており、ありがたい事に30~40名程度の生徒さんが学んでくれておりますが、それでも道場全体の経営は苦しい物。
家賃と光熱費、消耗品、人件費を合わせると手元に残るのは微々たるもので、道場の収入だけで生きていく事は到底できないし、「お客様の笑顔の為」「子供たちの成長を楽しむため」等と、自分に言い聞かせながら運営をしているのが実情です(世間ではそれをボランティアと呼ぶ)

宮崎道場では、月極会員5000円、子供教室1人MAX5000円。となっています
この料金体系ですと、月極に相当する会員様が100名いて収入が50万円です。
そこから家賃・光熱費・人件費・税金等を引いていくと、20万円程度が手元に残るでしょうか?
実際には会員は三分の一の30名程度ですので、ほぼ赤字となってしまう運命です。
いい大人が1ヶ月働いて、個人事業主の様なリスクを取って、今後もお客様が増える見込みはあまりない業態で、「これではやってられない」というのが普通の人の感覚だと思います。

これに関しては、どこの道場でも同じだと思います。
「こんな状況の物を次の人に譲り渡す位なら、閉鎖した方が良い」と判断するのは、全くもって共感なのであります。

そもそも、将棋道場が儲かるのであれば「次は私が引き継ぎます」という人がいてしかるべきだと思うし、上記のプロを輩出したような道場なんかは出身者のプロ棋士が「私が後を継ぎます」と言っても、おかしくはないとは思いますが、みんな道場の経営の厳しさを分かっているので手が挙がらないというのが実情でしょう・・・。

と、内容も支離滅裂・多少愚痴っぽくなってしまいましたが、お客様や子供達・保護者の方に文句を言いたいのではなく、業界全体が斜陽の中、これはいよいよヤバいと思うのですが、将棋連盟さんはどう考えていらっしゃるのか?とお上に楯突いた所で終わりにしたいと思います。

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